吉田 恵理 研究室

キーワード:

近代文学、近代詩、現代詩

この研究室・ゼミの教員

ヨシダ エリ

吉田 恵理

YOSHIDA Eri

文学部 国文学科 准教授

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○ 専門分野
人文・社会 日本文学

○ 学位
立教大学大学院博士後期課程文学研究科(学位)博士(文学)

研究を始めたきっかけ

もとは埼玉大学教育学部の国語専修で学んでいたのですが、文学そのものを探究するのでなければ面白くないと思ったのがはじまりです。近代文学のゼミで小説ではなく詩を選んだのは、言葉への不信と関心が強かったからです。学部時代のゼミの先生が外へ出ることを勧めてくださり、立教大学文学研究科へ進学しました。私自身もそうでしたが、大学院で出会った仲間たちは皆、何者かになるためではなく今を生きるのに切実に文学研究を必要としていたと思います。

わたしの研究室

近現代の詩歌を研究したい人はもちろん歓迎しますが、ジャンルにこだわらず近現代の幅広い文学を研究対象にすることが可能です。過去の卒論題目一覧は「国文オリジナルサイト」に掲載しています。

ゼミでは、発表者が選ぶテキストを全員が精読してきた上で議論します。したがって自分の発表や卒論の準備とは別に、年間を通じて毎週1冊は本を読まなくてはなりません。小説を研究する人が「詩は読めない」と言うのはしばしば耳にしますが、詩を研究する人が「小説は読めない」と言うのを聞いたことがありません。なぜそれを卒論のテーマに選ぶのか、たとえ担当教員に難色を示されても説得的な理由と展望を示せるなら、何を選んでどう苦しむも自由です。さまざまなジャンルを選ぶ人たちと作品の読みをめぐって真剣に議論する中で、どんな作品であっても研究に値するテーマを見出し、解釈し批評できる力を鍛えてほしいと思います。

いま興味のあるテーマ

小説的読解に還元されない詩のフォルムや叙法に着目し、詩の言葉を文脈ならぬ詩脈として動態的に捉える読解の方法を探究しています。中原中也を主たる対象としつつ、北原白秋、宮沢賢治、富永太郎、小熊秀雄などの同時代詩人の作品も参照しながら、近代詩の表現の歴史を広い視野から捉え直しています。また、ポスト戦後詩の時代の谷川俊太郎や、東日本大震災後の辺見庸といった現代詩へと対象を広げ、詩の表現が時代といかに呼応するかを批評的に考察しています。