樋口 雄人 研究室
キーワード:
権力に秩序と活力を与える憲法・政治制度
この研究室・ゼミの教員
研究を始めたきっかけ
高校生になった頃からなぜか政治に興味関心があり、大学進学に際しては政治学科を第一志望にして、運よく入学することができました。 政治学の諸分野を学んでいく中で、いちばん面白いと感じたのは「比較政治制度論」の授業で、私がこの科目を受講した際に授業を担当しておられた小林昭三教授の御人柄と、彼が標榜していた「憲法政治学」の知的魅力に惹かれて、憲法・政治制度をより深く研究してみたいと思いました。
わたしの研究室
私が担当している「演習(憲法)Ⅰ~Ⅳ」では、「地域社会の諸課題に憲法学からアプローチ」をモットーとして、人間の基本的な権利・自由の保障を内容とする「立憲主義」の精神を価値観として共有しつつ、地域社会における諸課題を考察し、それを共に深めるという姿勢で学んでいます。研究テーマ選びは基本的に各ゼミ生の自由に任せていて、狭義の憲法というよりは、むしろ広く法律学一般のゼミといった雰囲気ですが、たとえば選択的夫婦別姓導入の是非などをテーマに定め、既存の家族制度を「個人の尊重」や「法の下の平等」の観点から問い直すゼミ生などもいて、指導教員として頼もしく感じています。
地域社会学科では、卒論提出者全員が卒論最終報告会で研究報告(質疑応答を含む)を行うことになっており、このゼミでは、卒論作成の指導に加えて、卒論最終報告会に向けての準備にも力を入れています。予行演習を始めた当初は、所定の発表時間を守れなかったり、質問への返答がグダグダだったりした学生が、苦労して練習を重ねて、報告会当日には見違えるようなパフォーマンスを披露する姿を見るにつけ、若い学生諸君の大きな「伸びしろ」と無限の可能性を実感します。
いま興味のあるテーマ
私が憲法研究者のひとりとして考察の対象としているのは「衆議院の解散」であり、わずかながら論考も発表しておりますが、それとは別に、国民ないし市民のひとりとして興味を抱いているのは、選択的夫婦別姓や同性婚といった、従来は存在しなかった家族に関する新たな制度の導入の可否についてです。家族のあり方をめぐる価値観の相違から保守vs.リベラルの政治的対立軸のひとつとなっていて、今後の動向が注目されます。
研究室インタビュー
地域社会の諸課題に憲法学からアプローチ
私の専門は憲法学ですので、ゼミでは、個人の尊重および基本的人権の擁護という「立憲主義」の精神を共通の価値観としつつ、地域社会における諸課題に対する考察を各自で深め、それを共有するという姿勢で共に学んでいます。学生たちは自身の興味関心に従って研究テーマを選び取り組んでいますが、選択式夫婦別姓や同性婚の導入の是非など、既存の家族制度を「個人の尊厳と両性の本質的平等」(憲法第24条2項)という観点から問い直す学生が多いことを頼もしく思っています。
