中地 幸 研究室
キーワード:
アメリカ文学、エスニック・マイノリティ、ジェンダー
この研究室・ゼミの教員
研究を始めたきっかけ
20代の時にアメリカに留学し、アメリカ文学で修士号と博士号を取得しました。留学生として、米国と日本の「間」に存在していることで、“Between”という概念に興味がわき、「混血」の作家の作品を中心にアフリカ系アメリカ人作家やアジア系アメリカ人作家を研究するようになりました。その過程で、植民地主義や奴隷制の歴史、日系人の強制収容所、ジェンダー問題などについて考えることの重要性を強く意識するようになりました。
わたしの研究室
私のゼミは、人種、エスニシティ、ジェンダーに焦点に当てながら、アメリカ文学を読解していきます。欧米社会の歴史の紐解くと、植民地主義、奴隷制、ネイティブ・アメリカンの虐殺、日系人の強制収容所など、様々な負の歴史に遭遇することとなります。19世紀の南部の美しい白亜の豪邸の窓には、主人にレイプされて肩をふるわせえ嗚咽する黒人の少女の影が映ります。爽やかな柳の木の下からうっすらと白く立ち上る煙のもとには、黒く焼け焦げた骨があります。ゼミでは小説を掘り下げて読むことの面白さを味わうと同時に、その情景の背景を深く考察していきたいと思っています。
いま興味のあるテーマ
ジャポニスム文学とゴシック文学の交差点を考えています。19世紀ヨーロッパの吸血鬼幻想と日本趣味の重なりを人種問題をキーとしながら、さらに検証したいと思っています。また日系アメリカ人文学をさらに俯瞰的に考えることに興味を持っており日系人の北米経験と南米経験を照らし合わせて考察したいと思っています。そのほか、野口米次郎、ネラ・ラーセン、多和田葉子研究を継続的に行っています。