器楽 十川 菜穂
キーワード:
音楽、ピアノ、アンサンブル
この研究室・ゼミの教員
研究を始めたきっかけ
物心ついた時には弾いて遊んでいたピアノを小学生から専門的に学び始め、様々な音楽経験を重ねています。6年間のパリ留学中は多くのコンサートやオペラに通い、フランスのみならず他国の作曲家の作品も沢山勉強しました。旅先のヨーロッパ各国では受け継がれる伝統文化に圧倒されたものです。作曲家独自の様式や和声、音楽語法を理解し、その表現に相応しい演奏技術を磨きながら、美しい音楽を自分ならではの演奏で形作っていくことに楽しさを感じるまま数十年が経ったもので、これといったきっかけはありません。
わたしの研究室
音楽系では2年生からピアノか声楽の専攻に分かれ、ピアノ研究室では春と秋の公開コンサートと、各期末試験の年4回の本番を通して、曲を仕上げ演奏する力を養っていきます。学生の技術や音楽経験は様々ですが、個人レッスンが基本で、選曲は全て個々のレベルに応じたものとなっています。試験では幅広い時代からの課題曲に、コンサートでは各人の趣味志向に合わせ選んだ曲に取り組みます。学生の個性を尊重しながら、音楽の深い理解と適切な表現に必要な技術の向上を目指し、特に次週までの練習の仕方を明瞭にしています。本番が近付くと、Mホールで弾き合いをすることで緊張の中でも安定した演奏ができるよう精神を鍛え、本番後は自己の演奏を振り返り、次回に生かしていきます。4年生の1月下旬にうぐいすホールで行われる卒業試験を兼ねた卒業演奏会がその集大成です。卒論は、各人が興味に基づき設定した音楽に関連するテーマについてゼミで内容を深め、論文として仕上げます。また、4手連弾と2台ピアノも必ず経験し、相手の音を聴きながら共に音楽を創っていくアンサンブルを楽しみながら表現力を高めています。
いま興味のあるテーマ
ピアノ演奏における効果的な練習方法に興味を持っています。これまでに勉強した曲でコルトー版に記載されたものはほぼ全て実践し、コルトーが校訂出版していない曲については自分で考案しながら、学生にも紹介して技術向上を図っています。
また、ピアノ演奏に加え、幼少から親しんでいるソルフェージュや和声法、数字付き低音にも興味を持って実践、指導しています。これらは楽曲への深い理解や音色等の表現の追及に欠かせないばかりか、早い読譜や暗譜にも役立ちます。