青木 深 研究室

キーワード:

ポピュラー音楽、ミュージッキング、サーカス、身体パフォーマンス、歴史人類学、人の移動、日米交流史、ジャポニズム、興行、米軍基地、朝鮮戦争

この研究室・ゼミの教員

アオキ シン

青木 深

AOKI Shin

教養学部 比較文化学科 教授

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○ 専門分野
人文・社会 文化人類学、民俗学

○ 学位
一橋大学 大学院社会学研究科地球社会研究専攻博士後期課程、一橋大学 大学院社会学研究科地球社会研究専攻修士課程、上智大学 文学部 社会学科

研究を始めたきっかけ

表現方法としての「研究」に至る前は、〈いま・ここ〉の日常が異なる風景で見えてくる/聞こえてくる〈世界〉に触れたいというような感覚を抱きながら、バンドや演劇や雑誌など、色々なことに手を出していました。そのうちに、音楽に関わりながらものを書く仕事をしたいと考えるようになっていました。気がついたら、ポピュラー音楽や身体パフォーマンスへの関心を足がかりに、第二次世界大戦をはさむ期間に日米を行き来した人びとの歴史や記憶を掘り起こすべく、「研究」を始めていたのです。

わたしの研究室

わたしの研究室(ゼミ)では、ポピュラー音楽を中心に、「日本」をめぐる色々な文化がどのような歴史・社会・政治・経済のなかで生まれ、変容し、消えたり再生したりしているのか、文化史・メディア研究・文化人類学などの文献を読みながら学んでいます。音楽、映画、演劇、演芸などへの関心を学問的に深めたいという学生が多いです。

学問分野はどんどん細分化し続けていますが、人文学はそもそも、揺れ動く不完全な存在である「人間」の多様なありようを知り、問いかけ、調べ、考えていくトータルな営みだとわたしは考えています。対象が「過去」であれ「現在」であれ、読んだり調べたり書いたりすることを通して、自分とは異なる時代や社会に生きる人びとへの想像力が刺激されるような経験をしてほしいと思いながら、卒業論文に向けての指導を進めています。

そのための具体的な作業としては、自力で一次的な資料を探して使うこと、推敲を繰り返しながら粘り強く論述することなどを、とくに重視しています。「わたしの関心」を社会的に意味のある問いとして表現することができるように、また、「わたしにできること」を自覚し自分に合った方法をつかみとれるように、学生を導きたいと思っています。

いま興味のあるテーマ

いま新たに始めている研究は、20世紀初めにアメリカ合衆国へ渡り、サーカスをはじめとする興行界でアクロバット芸を演じた日本人パフォーマーの研究です。当時のサーカスはアメリカの海外拡張を反映した異種混淆の大衆芸能でしたが、そこで繰り広げられる多様な演目の一つに、日本人によるアクロバット演芸がありました。それを演じたのはどのような人びとだったのかという疑問を出発点として、彼ら/彼女たちの越境的な軌跡と歴史経験を浮かび上がらせるべく、あちこちに散在する史料を集めつつ研究を重ねています。

研究テーマ

○ シーズタイトル

○ 研究者名