横山 美和 研究室

キーワード:

科学とジェンダー、産児調節運動の歴史

この研究室・ゼミの教員

ヨコヤマ ミワ

横山 美和

YOKOYAMA Miwa

教養学部 比較文化学科 准教授

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研究を始めたきっかけ

私は幼いころから、たくさん「もやもや」したり怒りを感じたりすることがありました。なぜ女性は男性より下に見られているのか、なぜ女性は男性に遠慮して生きなければならないのか・・・。しかし、「世の中そんなものだ」「怒るとおかしいと思われるかもしれない」とぼんやり思っていました。しかしフェミニズムに出会い、「そんな世の中はおかしい」「怒ってよい」のだと目から鱗が落ちたのです。

そんな中で大学院の指導教員になるジェンダー論の先生に勧められたのが、「科学とジェンダー」でした。中立的・客観的と考えられている科学が、実はジェンダー・バイアスに満ち満ちていることに衝撃を受けました。

わたしの研究室

一口にジェンダー論といってもその対象は広く、ジェンダー論を専門とする研究者は絞った研究対象やテーマをもっています。しかし、ジェンダー論は学際的・分野横断的な研究なので、幅広い目配りをします。私自身の研究は、ジェンダー論のなかでも特に科学にかかわるものです。私は大学院のころから、19世紀後半のアメリカにおける月経の認識が今とは全く異なること、また、その認識に基づいて社会における女性のあり方などが議論されていたことに興味を持ち研究をしてきました。その延長で、排卵と避妊の研究がアメリカや日本の社会に及ぼした影響について研究もしています。

ゼミでは、まずジェンダー論に関する概説書を学ぶことから始め、その後ゼミ生の関心に合った文献をとりあげて、皆で読んでいます。4年のゼミ生は、性教育、女性議員が少ない問題、痴漢問題など、ジェンダーにかかわる多様な問題に関心をもち、卒業論文に取り組んでいます。

いま興味のあるテーマ

1930年代のアメリカにおいて、日本の排卵研究に端を発するリズム法(オギノ式避妊法)が産児調節運動に大きな動揺を引き起こしていました。避妊に反対するカトリック教会が、教皇が認めているからリズム法ならよいとしたためです。カトリックの聖職者や産児調節運動家の議論について分析し、リズム法がアメリカ社会に及ぼした影響を考察しつつ、アメリカのジェンダー問題について歴史的に研究しています。

研究テーマ

○ シーズタイトル

○ 研究者名