小島 恵 研究室
キーワード:
環境法、リスク、持続可能性
この研究室・ゼミの教員
研究を始めたきっかけ
大学4年生で進路に迷っていたときに、偶然「環境法」の授業と出会ったことから、私の研究者としての歩みが始まりました。それまでに法学部で学んできた知識を「使って考える」学問であったことが、何よりも私を惹きつけました。豊かな環境を後世に残すという目的も、自分の努力が社会のためになるかもしれない、という淡い期待を抱かせてくれ、それを励みにすることができました。
わたしの研究室
いま私は「災害が起こったときに有害な化学物質が工場などから漏れ出して環境を汚染したり人の健康被害を引き起こしたりすることがないように」というテーマでの研究に着手しています。日本ではこれまであまり対応が考えられてこなかったことですが、最近の異常気象の進展とともに、重要性は増していると思っています。探っていくことがたくさんあり、大変ですがやりがいがあります。
ゼミでは、私の研究テーマに縛られず、環境法の古典的な事例から、環境経済学の考え方、最新のトピックスまで、色々なテーマを扱います。ゼミ生は資料を読んだり自治体のホームページを調べたりしてテーマについて発表し、ディスカッションを行います。
それと並行して、3年生から卒論のテーマを何にするか、少しずつ考えていきます。はじめから決まっている人、なかなか決まらずに二転三転する人と様々です。それぞれのペースで進めていきますが、定期的にゼミで自分の進捗状況を発表してゼミ生からのコメントをもらい、それを刺激にしてまた自分で考えてもらいます。
4年生になると、それぞれ就活や公務員試験などで忙しくなってきますが、ゼミで顔を合わせると、少しリラックスし、またがんばれるようです。卒論指導は個別指導が中心となり、逐次ゼミでの発表を通じて考えを深めていきます。法律や判例を扱うのは大変なところもありますが、毎年学生の頑張りに驚かされています。
いま興味のあるテーマ
持続可能な食のあり方にもここ数年興味を持っています。農業の環境負荷、ゲノム編集といった最先端の技術、食品添加物、流通時のCO2排出、食品ロス、過剰包装によるプラスチック汚染など、「食」は私たちの生命を形造っていると同時に、多くの環境リスクを引き起こしています。それぞれの局面でどのような取り組みを進めていくべきか、総合的に考えていく必要があると思っています。