社会科教育学 小川 輝光
キーワード:
社会科教育、歴史教育、環境と公害、戦争と平和、都市と農村
この研究室・ゼミの教員

オガワ テルミツ
小川 輝光
OGAWA Terumitsu
教養学部 学校教育学科 准教授
研究を始めたきっかけ
私自身が受けた教育経験が影響を与えていると思います。ユニークな教育を行う学校に生徒として通っていたところから教育に関心を持ち、近代日本の戦争やアジアとの関係を理解したいと大学で歴史学を学びました。研究者とだけでなく一般の人たちとも歴史を学んでいきたいと考え、20年間中学高校で社会科を教えてきました。その中で、水俣病や歴史に学ぶことの意義を、研究として明らかにしていこうと考えるようになり、実践的研究に取り組むようになりました。

わたしの研究室
社会科教育を専門とする研究室です。どうしたら子どもたちが社会に興味をもてる授業が実現できるか考えるとともに、現実社会と教室をつなぐ社会科教育の研究にも取り組んでいます。具体的には、地域のなかの人やモノゴトを教材にしたり、現実社会の変化を授業に結び付けたりしています。ゼミ生は、地域教材の研究や多文化共生のための教材開発、戦争遺跡の活用、平和教育方法の検討、教科書問題の検討などに取り組んでいます。ゼミ生全員が履修する地域調査実習という授業では、都留市内だけでなく、多文化共生に取り組んでいる町や核被害の記憶の継承に取り組んでいる町、公害被害から環境再生に取り組んでいる町などを訪問して、調査研究をしています。将来、自分が教育にかかわる場所でも、地域にある素材を教材にしながら、よりよい社会の実現を目指せる力をつけていきます。

いま興味のあるテーマ
- 教室の歴史学習と日常の中にある歴史を結びつける〈歴史実践〉の研究。たとえば戦争体験者が減る中でどのように戦争や平和の学習を進めるか、社会の中での戦争継承の実践と結びつけることを行っています。
- 現代社会において〈公害〉を学ぶ意義を明らかにする研究。たとえば水俣病の経験に学ぶ取り組みから、人が人らしく生きる生き方を探求したり、環境汚染や社会格差による苦難を是正するより良い社会を実現したりすることを目指しています。
