冨永 貴公 研究室
キーワード:
生涯学習・社会教育、成人教育、ジェンダー/セクシュアリティ
この研究室・ゼミの教員
研究を始めたきっかけ
男女共同参画社会基本法の前文では、男女平等に向けた「一層の努力」の必要と、「少子高齢化の進展、国内経済活動の成熟化等我が国の社会経済情勢の急速な変化」への対応が述べられています。ジェンダー平等の追求と少子高齢化や経済状況とがどのように関連するのかについて、政府や行政、専門家に任せてしまうのではなく、働き、生きるわたしたちの経験に根ざして学び、考えていくための仕組みづくりに興味をもち、生涯学習社会におけるジェンダー問題学習を研究することにしました。
わたしの研究室
性や性別は生得的でなく、社会的、文化的、歴史的、政治的に生きるわたしたちの相互作用のもとでつくられ、学ばれ、生きられ、つくり直されるのだということが、わたしの研究の基盤にあります。これまで、男性たちが女性たちの経験と照らし合わせながら自身の性や性別を問い直す学びの場を研究の対象としてきました。近年では、わたしたちの経験が女性でも男性でもない、異性愛でない暮らしのなかにあることを踏まえ、これまでの男女平等、ジェンダー平等とセクシュアリティ平等をつなぎ、ジェンダー/セクシュアリティ平等を切り拓くわたしたちの学びについての研究を行っています。
このようなジェンダー/セクシュアリティ平等を踏まえながら、ゼミではひろく教育・学習から排除されている人々の学習要求や学習課題などを検討し、人々を選別したり、人々が社会化されたりするだけではなく、社会そのものを問い直すような教育や学習の視点から、現行の社会における課題と解決の方途を考える場を共有しています。そこからは、社会のさまざまな場に存在する人々の学習を対象として、その意義を検討する卒業論文がうまれています。
いま興味のあるテーマ
ジェンダー/セクシュアリティ平等、さらにそれらをより複合的、交差的に捉えなおしたうえで、それらと生涯学習社会の推進に向けた国内外の地域社会における動きを共有しながら、そこから何を学び、どのようにこれからをつくりだすのかを考えたいと思っています。とりわけ、現在は男女共同参画関連施設における学習機会の提供、その内容や方法、さらには学習支援の実態の究明に関心があります。