数学教育学 新井 仁
キーワード:
統計、データサイエンス、批判的思考
この研究室・ゼミの教員
研究を始めたきっかけ
中学校現職教諭時代、リアルデータをモデル化し、何らかの関数と見なして数学的な手法で欠損値や近未来を予測する授業づくりに取り組んできました。当時は学校教育において統計的な内容の扱いが脆弱であったことも危惧しながらの取り組みでした。その後、ビッグデータ時代となり、現代ではリアルデータに基づいた意思決定や状況判断の重要性が注目されています。これは、いわゆるデータサイエンスの発想であり、今後さらにそのニーズは高まると考えたことが、本研究を始めたきっかけです。
わたしの研究室
わたしのゼミに所属する学生は、算数・数学教育における生成AIがもたらす影響に興味をもったり、立体図形の展開図の教育的価値に興味をもったりするなど、常に学校教育における学習者の学びを充実させるためにどうしたらよいかについて考えています。「数学ができることと、子どもたちに算数・数学を教えられることは似て非なるもの。このことを2年間のゼミを通して知ってもらうことが大きな目的」だと学生には常々伝えています。算数・数学の授業はただ単に問題を与え、解かせているだけでは魅力ある授業にはなりません。教員自らが問題を解き、その先の問いを考えることが必須です。子どもはなぜ算数・数学を学ぶのか、また、教師はなぜ算数・数学を教えるのかを考え続けることが重要でしょう。学生たちには「教員は教壇を去るまで勉強し続けなければダメ」と話しており、和気藹々とした雰囲気の中にも厳しさを伴う、そんな研究室です。
いま興味のあるテーマ
IoTにより、様々なデータが瞬時に集められるビッグデータの時代、このデータに基づいて何がわかるか、何ができるか、そういったことがこれからの世の中で重要な意味をもつと思います。リアルデータは集めるだけでは宝の持ち腐れ…よりよい社会を構築するために、様々なデータをどのように分析すればよいのか、そしてそこから何がわかるのか、データを鵜呑みにせず批判的に捉えることも重要ではなかろうか、そういったことに興味を抱いています。