このシーズの研究者

カルベ リエ
軽部 利恵
KARUBE Rie
文学部 国文学科 講師
研究を始めたきっかけ
高校の古典の授業にて、語構成や語源の話を見聞きし、文学作品よりもことばの方に面白さを感じていたことが研究を始めたきっかけとしてあります。さらに、大学に入って初めて受けた授業が「日本語学概論」で、言語を体系的に分析・記述するという研究方法に接し、感銘を受けたのを今でも覚えています。大学での授業を通して、次第にことばの変遷や消滅という歴史的なところに興味を持つようになり、まずは、一番古い時代の日本語を記述してみたいと考えるようになりました。
研究概要
私はこれまで、いわゆる万葉仮名という文字(その実、漢字です)がことばをどのように表し、私たちは文字を使ってどのように読み書きを行ってきたのかということに着目して、研究を行ってきました。仮名でことばを書くということについては、万葉集の文字表記から考察し、私たちはどのように読み書きを行ってきたのかということについては、唐招提寺に現存する文書の文章、文体から、調査・分析を行っています。
現在は、奈良時代を中心に、木簡や文書などの一次資料をめぐって、①テキストの書かれ方、②どのような要因でそのように書かれたのか、③テキストはどのように受信されたのか、④その受信のされ方にテキストの書かれ方や文体はどのように関わっているのかという、生の文字資料に関わる文字表記、文章文体を包括的に観察し、その様相を記述していくことを目指しています。
連携できるポイント
伝来した文書や出土資料の木簡・土器についての、文字の釈読
提供できるシーズまたは支援できる分野
現代日本語の文字表記(漢字や現代仮名遣いなど)を中心としたリテラシーに関わる教育や講演
産学・地域貢献に関する経験・実例及び連携できる団体
- 奈良文化財研究所からの調査依頼を受けて、文字が書かれた土器を調査した。
- 作新学院高校トップ英進部・英進部からの依頼を受けて、学術講演会の講師をつとめた。