哲学の日常生活への応用

このシーズの研究者

フジイ ショウタ

藤井 翔太

FUJII Shota

教養学部 国際教育学科 講師

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○ 専門分野
人文・社会 哲学、倫理学

研究を始めたきっかけ

私は高校生になってもなお、漫画以外の本を自発的に手に取ることなどまったくないほどの読書嫌いだったのですが、進路のことを考えねばならなくなったときに、たまたま中島義道の『働くことがイヤな人のための本』という本を見つけ、タイトルにつられて購入してみました。読むやいなや衝撃を受け、彼の書いた本をいくつも貪るように読むようになりました。世の中には哲学という学問があり、そこではあまりに当たり前で問うことが躊躇われるような基本的な問題について考え抜くことができると知り感銘を受けたのです。大学では英米哲学を専攻し、哲学を学ぶこと・教えることの意味についてさらに研究したいと考え、教育哲学の大学院に進みました。

研究概要

現在アカデミアで主流になっている哲学研究は、自然科学の範をとった知識生産の様式を取り入れた、高度に専門化されたものになっています。一方で、そうした哲学における「知的エリート主義」を反省し、誰しもに開かれた実践として哲学を捉え直そうという動きが、様々な領域で展開されています。例えば、身体・精神の健康に加え「哲学的健康」という次元を見出し、その実現を支援する哲学カウンセリングや、一般人が日々の疑問に専門用語・知識抜きで(「素手で」)取り組めるように考案された哲学対話、そして、哲学対話を通じた批判的思考を育む手法として米国で開発された「子どものための哲学(P4C)」などがあります。私の現在の関心は、こうした諸々の「哲学プラクティス」がどのような背景のもとに生み出されたのか、また、それらがどのような人間形成的意義を有しているかを考察することです。

連携できるポイント

職場や学校、あるいは家族内でのコミュニケーションは、明示的・非明示的な前提や価値観のもとに成立しています。それらを探るために、哲学(者)的な思考法や問いかけは有用だと考えられます。

提供できるシーズまたは支援できる分野

  • 哲学(的)対話のファシリテーション
  • 哲学プラクティスに関する講演