このシーズの研究者
研究を始めたきっかけ
物心ついた時には弾いて遊んでいたピアノを小学生から専門的に学び始め、様々な音楽経験を重ねています。6年間のパリ留学中は多くのコンサートやオペラに通い、フランスのみならず他国の作曲家の作品も沢山勉強しました。旅先のヨーロッパ各国では受け継がれる伝統文化に圧倒されたものです。作曲家独自の様式や和声、音楽語法を理解し、その表現に相応しい演奏技術を磨きながら、美しい音楽を自分ならではの演奏で形作っていくことに楽しさを感じるまま数十年が経ったもので、これといったきっかけはありません。
研究概要
楽譜に書かれたものを実際に音にする行為である「演奏」を、フランス語では「解釈」と同義であるinterprétationという言葉を用いることからも明らかなように、演奏者は解釈者であらねばなりません。記譜されたものをどのように解釈そして演奏するかが私の研究テーマです。作曲家が楽譜に書き表すことができるのは音楽の極一部ですが、それ以外のことを解釈するには演奏家のセンスだけでは不足であり、様々な音楽的教養が必要です。例えば和声や終止形から見える音楽の構成、同じ作曲家の他のジャンルの作品との共通点から分かる彼の音楽語法や様式感、同時代の作曲家の作品からも感知できる時代の音楽の潮流、作曲家本人の弟子のその弟子の…と脈々と繋がる演奏の伝統もあるでしょう。そして様々な知見や経験を元に漸くこれだと思うものを見つけても、それを表現するに相応しい演奏技術がなければ仕方ありません。毎日孤独に技術を磨き、どのような状況下でも満足する演奏ができるように健康にも気を配りつつ、芸術の深淵に少しでも近付くべく日々精進しています。
連携できるポイント
ピアノ演奏や音楽の指導等
提供できるシーズまたは支援できる分野
ピアノ演奏や音楽の指導等