研究を始めたきっかけ
私は幼い頃から、たくさん「もやもや」したり怒りを感じたりすることがありました。なぜ女性は男性より下に見られているのか、なぜ女性は男性に遠慮して生きなければならないのか・・・。しかし、「世の中そんなものだ」「怒るとおかしいと思われるかもしれない」とぼんやり思っていました。しかしフェミニズムに出会い、「そんな世の中はおかしい」「怒ってよい」のだと目から鱗が落ちたのです。
そんな中で大学院の指導教員になる先生に勧められたのが、「科学とジェンダー」でした。中立的・客観的と考えられている科学が、実はジェンダー・バイアスに満ち満ちていることに衝撃を受けました。
研究概要
大きく3つのテーマがあります。
一つは科学知識がジェンダーにどのような影響を与えたかということです。具体的には、19世紀後半のアメリカにおける月経の認識が今とは全く異なること、またその認識に基づいて社会における女性のあり方などが議論されていたことに興味を持ち研究をしてきました。その延長で、排卵と避妊の研究がアメリカや日本の社会に及ぼした影響について研究もしています。
二つ目は、女性研究者が少ないという問題です。国(アメリカと日本)が女性研究者を増やすためにどのような政策を行ってきたかということに関しても研究を行いました。
三つ目は、AIに潜むジェンダー・バイアスの問題です。AIはインターネットにあるデータを学習して作られているため、データに潜む差別も学習してしまっています。AIが日常的に使われるようになった昨今、AIがもつさまざまなバイアスについて国際的に問題になっています。
連携できるポイント
- 性と生殖に関する人権の重要性について、産児調節運動の苦難の歴史を踏まえた解説ができる。自治体と連携し、性と生殖に関する人権に関するパンフレットの開発・指導を行うことができる。
提供できるシーズまたは支援できる分野
- ジェンダー平等に関する教育
- ジェンダーに関する教材開発
- ジェンダーに関する講演