このシーズの研究者
研究を始めたきっかけ
熱帯地域の森林破壊の問題に強い関心を持ち、熱帯林の研究をするために大学および大学院に進学した。大学および大学院において、ミャンマーおよびタイの山間地域を主な研究対象地域とし、焼畑耕作を行う山地民集落に長期滞在しながら研究を行ってきた。
大学院修了後に島根県中山間地域研究センターの研究員に着任したことを契機に、日本の山村地域の森林管理問題にかかわる研究を始めた。2015年より都留文科大学の教員に着任した。
研究概要
東南アジアの大陸部山間地域における研究では、休閑地にみられる植物の多様性やその利用という面から、従来型焼畑耕作の持続性を評価してきた。現在は従来型焼畑耕作が常畑化している要因を解明するための調査を実施している。
日本の山村の森林管理問題にかかわる研究では、森林所有者と直接的に連携し低コストな道具や機械を用いて施業を行う「自伐型林業」のコスト分析を行った。また、山村地域の森林所有者を対象に質問紙調査を行い、どのような世帯において森林管理活動が継続することが可能か、調査を継続している。同調査では、将来的に林地を相続する次世代(村内居住者、村外居住者)の山村への訪問頻度などにも着目し、調査を行ってきた。
連携できるポイント
長野県の山間地域におけるこれまでの共同研究の結果、車で1時間以内の近距離に他出家族がいる世帯において、林地の境界確認などの森林管理行動が継続する傾向にあることを明らかにしてきた。林地の不在地化の実態把握に取り組む自治体や団体との共同研究が可能である。
提供できるシーズまたは支援できる分野
森林所有者への質問紙調査の共同実施等。