研究を始めたきっかけ
大学4年生で進路に迷っていたときに、偶然「環境法」の授業と出会ったことから、私の研究者としての歩みが始まりました。それまでに法学部で学んできた知識を「使って考える」学問であったことが、何よりも私を惹きつけました。豊かな環境を後世に残すという目的も、自分の努力が社会のためになるかもしれない、という淡い期待を抱かせてくれ、それを励みにすることができました。環境法が対象とする分野は幅広く、また社会・経済状況の変化に応じて迅速な対応が求められるため、研究を常にアップデートしていくのは大変ですが、それがやる気にもつながってきました。
研究概要
最近は、長く研究してきた化学物質管理において、災害時の対応を定めた法制度が整っていないことから、そのあるべき姿を模索する研究に従事しています。災害が起こったときに有害な化学物質が工場などから漏れ出して、環境を汚染したり人の健康被害を引き起こしたりすることがないようにするためには、行政・事業者が事前にしておくべきこと、事故時にするべきことを法律で定めておくべきであり、その内容はいかなるものであるべきか、ということを、海外の法制度を参考にしながら検討しています。
また、ここ数年は持続可能な食のあり方にも興味を持っています。農業の環境負荷、ゲノム編集といった最先端の技術、食品添加物、流通時のCO2排出、食品ロス、過剰包装によるプラスチック汚染など、「食」は私たちの生命を形造っていると同時に、多くの環境リスクを引き起こしています。それぞれの局面でどのような取り組みを進めていくべきか、総合的に考えていく必要があると思っています。
連携できるポイント
- 顧客に環境に優しい商品を手にとってもらうための手法の立案
- 自治体の環境基本計画の作成
- 消費者に「環境にやさしい」製品であることをアピールする手法の立案
提供できるシーズまたは支援できる分野
- 環境教育
- 環境基本計画の作成への助言