このシーズの研究者

研究を始めたきっかけ
20代後半の5年間、「旭出学園」という私立の小規模な知的障害特別支援学校で、中学部の教員として勤務していました。 当時の旭出学園には、公立小学校(通常学級や特別支援学級)で小学校時代を過ごした、いわゆるグレーゾーンの子どもたちが、いじめや不登校といった経験から心に傷を抱え、次々と転入してきていました。 思いがけず、そうした子どもたちの担任を任されることになり、「試行錯誤」と「真剣勝負」の毎日を送るなかで、日本の学校教育システムや、通常教育・知的障害教育のあり方について、強い問題意識を持つようになりました。 その後、在職のまま大学院に進学し、現在に至るまで研究活動を続けています。
研究概要
教育学の中でも 特別支援教育学、教育方法学、インクルーシブ教育論 を主たる専門とし、理論的関心に基づく「基礎的研究」と、実践の改善や創造を目指す「実践的研究」の両方に取り組んでいます。
<基礎的研究>
- インクルーシブな学校教育システムの構造と機能-国際比較を通して-
- 通常教育の場から知的障害教育の場へと転入したグレーゾーンの子どもたちのライフストーリー
- オルタナティブな教育としての知的障害教育の基本原理と方法-三木安正の生活教育論の検討を通して-
<実践的研究>
- 小学校の通常学級における学級活動(特別活動)を通じたインクルーシブな学級づくり
- 小学校の通常学級におけるインクルーシブな生活科・総合的学習の授業づくり
- 知的障害特別支援学校における経験主義的な生活単元学習(総合的学習)の授業づくり
- 知的障害特別支援学校におけるハンドサイン・シンボルの言語的使用と環境整備
- 知的障害特別支援学校における作業学習を通じたコミュニティ・カフェの展開
- 地域社会におけるインクルーシブな生涯学習(趣味縁)の場づくり

連携できるポイント
「インクルーシブ教育」「特別支援教育」「障害者の生涯学習支援」に関わる実践や行政の現場に、少しでもお役に立てればと考えております。
提供できるシーズまたは支援できる分野
「インクルーシブ教育」「特別支援教育」「障害者の生涯学習支援」に関わる講演や研修の講師、実践アドバイザー、校内研究等の共同研究者、教材開発 など。