このシーズの研究者
研究を始めたきっかけ
高校生になった頃からなぜか政治に興味関心があり、大学進学に際しては政治学科を第一志望にして、運よく入学することができました。 政治学の諸分野を学んでいく中で、いちばん面白いと感じたのは「比較政治制度論」の授業で、私がこの科目を受講した際に授業を担当しておられた小林昭三教授の御人柄と、彼が標榜していた「憲法政治学」の知的魅力に惹かれて、憲法・政治制度をより深く研究してみたいと思いました。
権力に秩序と活力をもたらすことが憲法・政治制度の役割であるという問題意識に基づいて、学部生時代に約1年間留学したフランスの近現代憲法史を学び始めたのが、憲法学の研究に入ったきっかけでした。
研究概要
① 衆議院の解散
第2次以降の安倍政権期(2012-2020)に行われた2度の衆議院解散(2014,2017)を機に主張された、衆議院解散権を制限すべきとの見解が誤りであることを、同じ議院内閣制の国家であるイギリスにおける事実上の下院解散権廃止の失敗や、日本戦後憲政史において現行の衆議院解散制度が果たした役割の確認を通して、具体的に論証した。
[論文]
「衆議院の解散-近年における『解散権制限論』の検討を中心に-」憲法学会『憲法研究』第53号75-96頁
「衆議院の解散に関する再論-近年の状況を踏まえて-」憲法学会『憲法研究』第56号69-91頁
② 政治倫理条例
前任校があった富山県で2016年に明るみに出た地方議会議員たちによる「政務活動費不正問題」をうけて、ある県内自治体で政治倫理審査会委員を務めた私自身の経験を踏まえて、地方自治における政治倫理の確保・維持に資する制度はいかなるものかを考察した。
[研究ノート]
「富山県内自治体における政治倫理条例」高岡法科大学『高岡法科大学研究紀要』第27号37-75頁
[論文]
「政治倫理条例に関する一考察」憲法学会『憲法研究』第49号1-21頁
連携できるポイント
地方議会の活性化に向けての検討や新たな制度作りのお手伝いができるかと思います。あと、論文という形で研究成果を発表したことはないのですが、政治分野におけるジェンダー平等の実現が必要不可欠と常々考えていて、それに向けて具体的にどのようなことができるか、日々考えているところです。とくに地方議会に女性議員をもっと増やしたいと思っています。
提供できるシーズまたは支援できる分野
- 地方議会活性化にむけての検討
- 法教育・主権者教育