児童詩創作指導実践研究

SDGs:

4 質の高い教育をみんなに

このシーズの研究者

カスガ ユカ

春日 由香

KASUGA Yuka

教養学部 学校教育学科 教授

教員詳細はこちら ※教員業績はこちら

○ 専門分野
人文・社会 教科教育学、初等中等教育学

○ 学位
東京学芸大学大学院連合学校博士課程 満期退学 , 横浜国立大学 教育学研究科  国語教育専攻 国語教育専修

○ 関連
Research Map

研究を始めたきっかけ

25歳の時、私立中学校を退職。この年の秋、教員採用試験(高校・国語)に落ちました。どこにもいくあてがなくなり、母校の大学院(教育学研究科)を受験し、やっと合格。そこで小学校国語科教科書の「詩教材」に出会い、「詩の魅力・面白さ」に惹かれたことが、研究を始めたきっかけです。修士課程では「教科書詩教材分析」と「詩の鑑賞指導実践」を研究。その後、28歳で公立小学校教員となり、「児童詩創作指導」の実践を始めました。

研究概要

24年間に亘る小学校教員時代の研究テーマは「児童詩創作指導実践研究」。帰りの会で詩を書く(詩日記)。雨が降ったら詩「雨の物語」を書く。「けんか」をしたら詩を書く。これらの実践を記録し研究会で提案する。それを仲間や恩師に批判をしてもらう。教室に戻ってまた子どもの詩を読み合う。その営みを実践論文にまとめて発表しました。44歳の時に、東京学芸大学連合大学院博士課程に入学。小学校現場で働きながら、これまでの教室で生まれた児童詩473編をデータ化し分析・検討していく研究に着手しました。この研究を進めていくうちに、国語教育学の知見に留まらず、教育史、教科書研究、文学教育、比喩などの表現技法研究、認知心理学、教育社会学カウンセリング研究、ナラティブ研究、教師教育研究など多くの知見を基礎として、論を展開しなくてはならないことに気づきました。児童詩作品473編を材料として①「オノマトペ・比喩・リフレイン・題名の工夫」などの表現技法を柱として検討する方法 ②児童の実像と詩の表現との関連を記述する方法 ③教師と児童の「対話」を掘り起こし「教師の役割」を明らかにする方法の、3つの研究手法を用いて自己の実践を分析・検討しています。

連携できるポイント

自己の「実践」を対象化することは、「実践」の具体と「理論」との間を、幾度も往還しながら記述するという、楽しくも苦しい営みです。同じように教育現場で日々、国語科授業を実践されている教師に、少しでも「実践の知」を届けたいと考えています。

提供できるシーズまたは支援できる分野

全国の国語科研修会・授業研究会・ワークショップの講師として支援。教材開発。実践研究書の編集。