中等数学教育におけるデータサイエンス教材の開発に関する研究

SDGs:

4 質の高い教育をみんなに 9 産業と技術革新の基盤を作ろう

このシーズの研究者

アライ ヒトシ

新井 仁

ARAI Hitoshi

教養学部 学校教育学科 教授

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○ 専門分野
人文・社会 教科教育学、初等中等教育学

○ 学位
東京学芸大学大学院 教育学研究科専門職学位課程教育実践専門職高度化専攻 教科領域等指導プログラム数学教育サブプログラム 教職修士(専門職)
東京学芸大学 教育学部 初等教育教員養成課程数学科 学士(教育学)

研究を始めたきっかけ

中学校現職教諭時代、リアルデータをモデル化し、何らかの関数と見なして数学的な手法で欠損値や近未来を予測する授業づくりに取り組んできた。当時は学校教育において統計的な内容の扱いが脆弱であったことも危惧しながらの取り組みだった。その後、ビッグデータ時代となり、現代ではリアルデータに基づいた意思決定や状況判断の重要性が注目されている。これは、いわゆるデータサイエンスの発想であり、今後さらにそのニーズは高まると考えたことが、本研究のきっかけである。

研究概要

人工知能(生成AI)やビッグデータの進展に伴い、様々な場面でデータが収集・蓄積・活用されている現代において、「データを読み解き,活用する力」が重視されてきている。国際的な学力調査では、データを根拠に意味を解釈し、他者と協働して問題解決に向かう力が「21世紀型スキル」として位置付けられ、統計的思考やデータ活用能力の育成は国際的にも喫緊の課題であると言える。日本の学校教育においてもデータサイエンスに関する学習は必要不可欠だと認めながら、その教材は十分だとは言い難い。そこで、学習者がリアルデータをもとに、自ら問いを立て、分析と対話により意思決定する探究型教材を「データサイエンス教材」として開発することを目指している。教材開発と授業実践の試みは、データの背後にある文脈や意味に着目した学習を可能にし、中等数学教育に新たな視座を提供する先進的な取り組みとなる。さらに、授業実践等により教材の有効性を検証し、学習者の統計的探究力とデータサイエンス的思考力の育成に向けた知見を明らかにすることで、今後のカリキュラム開発や教師教育にも資する成果を目指している。

連携できるポイント

  • 主に中学校および高等学校と連携し、魅力ある授業づくりに貢献できる。
  • 日本統計学会統計教育分科会では、本研究のベースとなるこれまでの実績が評価され、今後のデータサイエンス教育の発展に寄与することが期待できる。

提供できるシーズまたは支援できる分野

  • 算数・数学科の指導
  • 算数・数学科の教材開発
  • データの活用・データの分析の教材開発および授業づくり
  • 数学教育を中心とした授業研究会での助言
  • 数学教育に関わる講演