教育の哲学的探究

キーワード:

# 教育哲学 # 教育思想史

SDGs:

4 質の高い教育をみんなに 5 ジェンダー平等を実現しよう 10 人や国の不平等をなくそう 16 平和と公正をすべての人に

このシーズの研究者

キノシタ シン

木下 慎

KINOSHITA Shin

教養学部 国際教育学科 准教授

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○ 専門分野
教育哲学、教育思想史

○ 学位
東京大学修士(教育)

研究を始めたきっかけ

学部生の時にフランスの哲学者ミシェル・フーコーの思想に出会い、触発されました。近代社会の構造を根本的に批判する彼の思想に触れて、教育という制度的な営みは人の生を支援するとともに、人の生き方を制約するものでもあることに改めて気付かされました。それ以来、他者と共に自由に生きるとはどういうことか、そのために教育者には何ができるのかを考えつづけています。

研究概要

子どもの主体性や自由な学びを肯定する、20世紀初頭の新教育思想を継続的に研究しています。特に、アメリカの進歩主義教育を代表するジョン・デューイの教育思想、ならびに日本の大正新教育思想を代表する篠原助市、野村芳兵衛、千葉命吉の教育思想を研究してきました。いずれの思想家も、経験を他者と分かち合うとはどういうことか、子どもの生を肯定するとはどういうことかといった、教育の根本問題と格闘して、深い思考を紡いでいます。彼ら彼女らの教育思想の核心部分を読み解くことによって、教育という営みの難しさとともに、その魅力や可能性を明らかにすることが研究の狙いです。
また、フランスの哲学者ジャン=リュック・ナンシーの哲学の検討を通じて、世界へと子どもたちを導く教育という営みとはそもそもいかなるものか、教育という営みが根本的に開かれたものであるためには何が必要なのかについて研究しています。最近では、教育と芸術、教育と哲学、教育と政治といった観点から、これらの問いにアプローチしています。教育と哲学というテーマでは、哲学教育や哲学対話の実践にも関心を寄せて研究を行っています。

連携できるポイント

芸術教育、哲学教育、政治教育、ならびに学校のコミュニティづくりに携わっている人たちに、すぐに実践に活用できる知識やスキルを提供することはできませんが、教育哲学的観点からの考察を一緒に深めることはできます。

提供できるシーズまたは支援できる分野

教育思想・教育哲学に関わる研究会・読書会・勉強会の支援