このシーズの研究者
研究を始めたきっかけ
日本の中学校や高等学校では英語のイントネーションについて「Yes-No疑問文では文末で上がり、疑問詞の疑問文や肯定文では文末が下がる」と指導されている場合が多い。University College of Londonでの2週間の音声学講座を受講し、英語のイントネーションについて学んだ。英語の句・節・文にはIntonation Phrases(IP)があり、その1つのIPには1つのnucleusを必ず持つ。そして、このnucleusの位置から声調が上下するというものであった。このことは英語発音の基本的で重要な部分であり、是非とも中学校、高等学校で指導すべきことだと考えた。
研究概要
イントネーションは話者の気持ちを相手に示す。また、文が伝える情報のどの部分が重要かを聞き手に伝えるという役割をもつ。そして、イントネーションは書きことばの句読点の役割も果たし、句・節・文などの切れ目や主節と従属節の関係などを明らかにするはたらきもする。また、英文のchunkをIntonation Phrases(IP)と呼ぶ。おのおののIPは1つのnucleusを必ず持つ。そして、このnucleusの位置から声調が上下する。
中学校教科書18冊を調べてみると、共通して書かれていることは「肯定文は、最後を下げる。」「yes-no疑問文は、最後を上げる。」「疑問詞疑問文は、最後を下げる。」「選択疑問文は、orの前を上げて、最後を下げる。」「列挙するときは、上げて最後を下げる。」であった。さらに、「長い文は意味の区切りごとに読む。」という記述が多かった。特に気になった記述は、「文の切れ目では上げて、文末は下げて言おう。 When he finds hungry people, (⤴) he gives a part of his face to them. (⤵)」である。つまりthemから下げて言うということである。この文の場合、nucleusはfaceの[éɪ]にある。また、when節の最後は下降上昇調である。
以上から、英語イントネーションを中学生に正しく指導する必要があると考える。
連携できるポイント
中学校の先生方と協力し、英語イントネーションを正しく指導することが可能である。
提供できるシーズまたは支援できる分野
- 英語教科書音声指導
- 英語教科書イントネーション教材開発