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比較文化学会主催 講演会「現代によみがえる〈つながりの文学〉〜小泉八雲とセツの世界〜」を開催しました。

2025年12月19日(金)、都留文科大学比較文化学会主催のもと、大学創立70周年記念講演会として、小泉凡氏による講演「現代によみがえる〈つながりの文学〉〜小泉八雲とセツの世界〜」を開催いたしました。

本講演では、小泉八雲と妻セツが紡いだ再話文学を手がかりに、東洋と西洋、生者と死者、人と自然、現実世界と超自然といった世界を往還する〈つながりの文学〉の意義が、多角的な視点から論じられました。

小泉凡氏は、八雲の思想の根幹にある「オープン・マインド」を、他者や異文化、さらには自然に対しても五感を研ぎ澄ませて向き合う姿勢として位置づけ、分断や自国中心主義が顕在化する現代社会においてこそ、その重要性が高まっていると指摘しました。さらに、怪談に通底する自然への畏怖や霊的存在への感受性は、アニミズム的な世界観とも響き合い、人と自然との〈つながり〉を捉え直す視座を与えるものであることが示されました。

また、怪談成立の背後にはセツの体験や語りがあり、その存在が八雲文学を大いに支えていた点も明かされました。加えて、八雲の怪談が芸術や観光、国際交流へと展開する文化資源となっている事例が紹介され、文学が人と人とを、地域と世界とを<つなぐ>力を持つことが示されました。

文学が時代や文化を越えて人と世界とを<つなげる>力を持つことを、改めて実感する講演会となりました。

今後も比較文化学会では、講演会の企画・開催を継続してまいります。

●小泉 凡(こいずみ・ぼん)氏のプロフィール

1961年東京生まれ。成城大学・同大学院で民俗学を専攻後、1987年に松江へ赴任。妖怪、怪談を切り口に、文化資源を発掘し観光・文化創造に生かす実践活動や、小泉八雲の「オープン・マインド」を社会に活かすプロジェクトを世界のゆかりの地で展開する。2022年度全国日本学士会アカデミア賞を受賞。

小泉八雲記念館館長・焼津小泉八雲記念館名誉館長・島根県立大学短期大学部名誉教授。

主著に『民俗学者・小泉八雲』(恒文社)、『怪談四代記―八雲のいたずら』(講談社)、『小泉八雲と妖怪』(玉川大学出版)ほか。 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)曾孫、日本ペンクラブ会員

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