日本語理解力の発達過程:定型発達児および聴覚障害児の発達過程の検討

このシーズの研究者

ナカガワ ヨシコ

中川 佳子

NAKAGAWA Yoshiko

教養学部 学校教育学科 教授

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○ 専門分野
人文・社会 教育心理学

○ 学位
博士(心理学)

研究を始めたきっかけ

心理学基礎実験である重量弁別実験で綺麗な結果が得られたことから心理学に興味を持ちました。その後、神経内科やクリニックで心理検査や心理的支援の仕事をしたことがきっかけとなり、ことばの生涯発達過程を研究するようになりました。J.COSS日本語理解テストの標準化に向けて、全国の小学校や保育園、高齢者施設で調査を行いました。また、海外視察や学会発表を行い、研究の奥深さや共同研究の重要性、連携の大切さを理解しました。心理学って勉強すればするほど、面白さが増しますね。

研究概要

日本語理解力は生涯を通じて必要とされる能力です。この能力が困難になると、学校での教科学習に困難が生じる可能性があります。そのため、理解が困難な領域を特定し、その特質を理解するとともに、早急な支援を実施する必要があります。また、文理解力の困難さによるコミュニケーションの問題は児童生徒の対人関係に深く関わっており、コミュニケーション能力の機能不全により学校生活の適用に困難が生じる可能性があります。日本語理解力は児童期のみならずその後も必要とされる能力です。この能力に困難が生じている場合は、小学校や中学校以降の教科学習において文章理解が困難になり、コミュニケーションがうまく機能しない可能性があります。

そこで、私たちは現在、児童期から青年期にかけての日本語文理解を含む全般的なコミュニケーション能力の生涯発達過程を検討するため、J.COSS日本語理解テスト(中川ほか, 2010)を刷新したテストJ.COSS-2を開発しています。全般的なコミュニケーション能力を評価するテストを開発し、聾教育指導者や、日本語を学習する児童生徒の日本語理解力を測定し、その特質を明らかにする研究を行なっています。

連携できるポイント

全国の小学校や中学校、特別支援学校(聾)と連携し、在学する児童生徒の日本語理解力をJ.COSS日本語理解テストを用いて文法項目別に評価し、その発達段階を示すことができる。

提供できるシーズまたは支援できる分野

  • 特別な配慮が必要な児童生徒の心理的支援とその相談
  • 発達心理学の講演
  • 心理学についての講演
  • 日本語理解力の教材開発

社会的成果または実用化された内容、商品、特許など

J.COSS日本語理解テスト(2010)風間書房

産学・地域貢献に関する経験・実例及び連携できる団体

TOPPANホールディングス:小学生の理解力テスト作成の協力