※5月30日追記
 支援活動の様子が新聞に掲載されました。
 是非ご一読ください。

 →160527伊豆日日新聞(熊本地震支援活動「復興支援 未来への教訓(上)」)
 →160528伊豆日日新聞(熊本地震支援活動「復興支援 未来への教訓(下)」)



 NPO法人グラウンドワーク三島では、平成28年4月の熊本地震の発生を受けて、子どもを元気に富士山プロジェクト・熊本地震支援活動を開始しました。
 
 4月27日から5月12日まで、NPO法人グラウンドワーク三島と日本ステンレス工業株式会社(山梨県大月市)との協働で、被災地での屋根シート掛けボランティア活動を実施しました。
 
 以下は、ボランティア活動に参加した、都留文科大学4年の石岡真由美さんのレポートです。
 


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熊本地震 支援活動報告
 
共催 NPO法人グラウンドワーク三島、日本ステンレス工業株式会社
 
 
 平成28年4月16日に熊本県で発生した大地震を受けて、NPO法人グラウンドワーク三島(静岡県三島市)と屋根工事業の日本ステンレス工業株式会社(山梨県大月市)は、4月27日から5月12日の16日間、被害を受けた屋根にブルーシートをかけるボランティア支援活動を実施しました。
 
 参加人数、延べ150人が、被災地での現場作業にあたり、熊本県内の大津町、西原村、南阿蘇、宇土市、宇城市、熊本市の6市町村において、損壊した屋根などにブルーシートを掛け木材を打ち付けて固定して家財道具などを雨風から守るための応急処置を行いました。
   

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出発式(山梨県大月市)
 

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ブルーシート、木材、仮設トイレなどを積み熊本へ
 
 

 私は4月30日から5月1日にかけて、渡辺豊博都留文科大学特任教授・グラウンドワーク三島専務理事とともに、現地に赴き、屋根にかけるブルーシートに木材を打ち付けたり、散乱した家財道具などの片付けを手伝いました。気温は25℃を超えるなか、倒壊しかけた家屋で作業をするのは、体力的、精神的にもかなりこたえ辛いものでした。
 
 屋根の作業に関しては、いつ再度大きな地震が来る不安と恐怖の中、命綱を頼りにプロの職人による的確、丁寧な作業が進められました。重い昔ながらの瓦を使った立派な家が多く、1枚瓦がずれてしまうと、そこから一気に崩れ落ちる可能性が大きくなります。
 
 職人たちは壊れた屋根にただシートをかけるのではなく、全体を配慮しながら木材を打ち付け、強度を高め、半年から1年以上の耐久性を発揮する屋根にします。まさに「屋根を葺く」かのような丁寧な作業に被災者は驚き「これで安心して寝れる」と大変喜ばれました。
 
 
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屋根の補修作業の様子
 
 
 しかし、滞在中には屋根を補修してほしいとの問い合わせが多く寄せられ、どこを優先して行うかの調整がうまくいきませんでした。今後、その調整を円滑に行えば、より効率的に支援活動ができるので、次回以降の課題だと感じました。
 
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 今回のボランティアでは、被災地の現状、問題にも気づくことができました。特に印象に残ったことは、地域コミュニティの違いです。初日に訪れた西原村は、村の8割が居住できないほど大きな被害を受けた地域です。しかし、2回目の本震で8人が下敷きになってしまいましたが、夜中でしたが、すぐに住民の手によって迅速に救助され無事でした。
 
 お話によれば、農家を営んでいる家多く、重機を使ってすぐに救助できたことと、相互の隣人・高齢者がどこに寝ているのか、分かるくらい、日ごろから強い地域コミュニティが存在していました。救助を待っていては助からなかった命が、地域コミュニティの力によって見事にすばやく、安全に救助できたのです。
 
 さらに、地震翌日には、山から水を引き、共同の水場や臨時避難所の設置、炊き出しなど非常の災害時に、迅速かつ適切に対応してきました。ここでは、「自助、共助」の仕組みと意識が、円滑に働き、有事の際に迅速に対応できる日々の訓練が役立ち、道路は寸断されていましたが、各人の持ち味・得意技を生かして、道路の復旧、インフラの整備(電気、ガス、水道など)を自主的に行い、行政からの援助に頼らず生活していました。
 
 
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西原村の様子
 
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原村の方々からの差し入れ
 
 
 一方、郊外では県や自治体の援助や自衛隊の救援活動に頼る傾向にあり、やってもらうことが当たり前のような雰囲気や、すべてを行政支援に頼って、自分たちで解決しようという自主性が極端に欠落しているのではないかとの疑問も感じました。
 
 今回、支援活動に参加してみて、お互い同士が助け合って生きていこうとする「共助の力」が、日頃からの地域コミュニティの強さと大きく関係していることが、地域差により濃淡はあるが、理解できました。
 
 現代の地域社会において、西原村のような濃い地域コミュニティが存在している地域は少なくなり、隣に住んでいる人の顔もわからないようなコミュニティの希薄性の現実は、珍しくはありません。地域コミュニティの脆弱性が進行・拡大していく傾向の中で、地震災害といった非常時に現実的に住民同士がどのように関わり、助け合っていったらいいのでしょうか。災害国日本の抱える問題は、多様な要素が複雑に絡み、深刻な閉塞状態にあることを再認識しました。
 
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  今回の支援活動を踏まえて、日本ステンレス工業株式会社の石岡博実代表取締役は「電気、ガス、水道、設備、大工、屋根屋、とび職、といった、職人の派遣が急務です。しかし、職人は属に言う「一人親方」が多く、自力でのボランティアは無理があります。
 そこで、各市町村で集まった義援金の一部を、職人のボランティア隊の組織に運用して、経費の捻出を考えてあげる事により職人は動きやすくなります。職人に聞くと、収入があれば1週間か10日間は自分の仕事を休んでも、ボランティアに参加したいとの思いが伝わってきました。地域で、コツコツとし活動している、何百人のプロの職人の専門性を借りて、早いうちにシートを掛けなければ、家財、家屋は守ることが出来ません。
 食料、水は勿論ですが、雨漏りによる家屋の傷みは、住むことの「あきらめ感」人口流出にもつながっていく。」と、さらなる支援の重要性と、今後のボランティアへの課題を明らかにしました。
 
 支援活動は今後さらに継続して行われる。屋根に関しては、いまだ支援を求める声が多く、梅雨入り前に再び職人を熊本に送り込む予定です。
またNPO法人グラウンドワーク三島では東日本大震災の経験を活かし、今年の夏を目途に被災した子どもたちを三島に招待し、心のケアを主とした支援活動を行います。
 
 被災地の人に何ができるかを考え、一過性ではなく継続的に支援活動を行っていくことの重要性を改めて再認識しました。私たちは被災地の現状、課題を次に活かす必要があり、今回の地震は決して他人ごとではなく自分の身にも起こりうる共通の問題として真摯に受けとめなければなりません。次に起こる非常時に自分に何ができるのか正しく判断し行動できるように、今回の経験を十分に活かしていきたいと考えています。
 
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(都留文科大学4年 石岡 真由美)



成28年4月14日から、熊本県を中心に最大震度7の未曽有の大地震が発生しました。地震による家屋の倒壊やがけ崩れにより、多くの住民の生命や家屋、財産、家族が奪われ、熊本城をはじめとして、歴史的な神社や仏閣、素敵な街並みなども破壊、損傷する壊滅的な震災被害を引き起こしています。現在も余震が多発し、被災者の方々の心と体への影響は計り知れません。

ラウンドワーク三島は、現地の窮状を支援するために「募金」活動を、2016年4月21日から開始しました。
新聞各紙に、支援活動を掲載いただいています。
関心のある方は、ぜひ下記のチラシ・新聞記事をご一読ください。

■熊本地震支援募金
  • 2016年4月23日伊豆日日新聞(熊本地震支援活動・第1回街頭募金活動実施)
  • 2016年4月22日静岡新聞(熊本地震支援活動・第1回街頭募金活動実施)
  • 2016年4月22日東京新聞(熊本地震支援活動・第1回街頭募金活動実施)
  • 2016年4月22日毎日新聞(熊本地震支援活動・第1回街頭募金活動実施)
  • 2016年4月21日伊豆日日新聞(グラウンドワーク三島・熊本地震支援活動開始)
  • 2016年5月27日伊豆日日新聞(熊本地震支援活動「復興支援 未来への教訓(上)」)
  • 2016年5月28日伊豆日日新聞(熊本地震支援活動「復興支援 未来への教訓(下)」)
 静岡・山梨両県が世界文化遺産・富士山の保全策をまとめた保全状況報告書に対し、ユネスコは5月27日、その内容を評価する決議案を公表しました。
 これに対する渡辺教授の提言が東京新聞に掲載されました。
 興味のある方は是非ご一読ください。

  • 160529東京新聞(渡辺教授・富士山保全報告書への提言、イコモス・富士山保全報告書承認)
  • 160529中日新聞(イコモス・富士山保全報告書承認)

都留文科大学災害ボランティアチームVS (記録者:VS学生)
※熊本報告書がダウンロードできます!→VS熊本報告書.docx

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             写真:ボランティアの基地となった 美里町元気の森「かじか」にある、元保育所施設
1.はじめに
 都留文科大学の学生6名で構成された災害ボランティアチームVSは、5月の長期休暇を利用して熊本県にて災害ボランティアを行ってまいりましたので、報告いたします。


2.スケジュール
4/29(金)夜~5/1(日)朝  夜行バスにて熊本へ移動
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    写真:大学のテントを都留から5張持ち込んで、ボランティアが寝泊まりするテント村ができました。
       (元気の森「かじか」は廃校になった小学校です。)
5/1(日)~5/7(土)午前中 熊本市内を中心に活動
5/7(日)夜~5/8(日)夜  夜行バスにて東京へ移動、その後各自帰宅

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             写真:帰路、熊本駅にて

3.内容
 初日  1年前に閉館した旅館において、荷物の搬出
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 2日目 美里町及び南阿蘇村にて、農家の支援
   
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      ・南阿蘇村にて、子どもたちへの支援プログラムの運営
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 3日目 美里町にて、農家の支援

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 4日目 ・南阿蘇村において、農家の支援
     ・土鹿野(はしかの)地区にて、家屋等の片付け及びニーズ調査
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             写真:熊本市の南に位置する土鹿野集落は50戸の集落のほとんどに赤紙が貼られている

5日目 ・フットパスのコース内においてコースの確認、及び周辺地域でのニーズ調査
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             写真:美里フットパス協会副会長 伊澤るり子さん。RQ九州のキーパーソン
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      ・土鹿野地区にて、家屋等の片付け及びニーズ調査
 6日目 ・鰐瀬集落の個人宅にて、瓦礫片付けの支援
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             写真:隣の家の敷地に倒れた15mの塀(本瓦の屋根が乗せられている。)
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            写真:チェーンソーで3つに解体する。

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       ・熊本市内の飲食店にて、営業の支援
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             写真:被災した「どんと食え」の再開支援。オーナーとVS学生のかもさん


 7日目 最終日 美里町の個人宅にて、瓦礫片付けの支援
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             写真:」被災後表情を失ったおじいさんにやっと笑顔が戻ってきました。」と、
            依頼者である孫の男性(消防団員)から感謝いただきました。依頼者の自宅は全壊だったそうです。
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             写真:河川敷に作られた瓦礫の臨時堆積場             


4.感想
 参加したメンバーがそれぞれ提出した報告書より、特筆すべき点を次に列挙する。
(1) ニーズを汲み取ることの困難
 現地での活動の中には、具体的な依頼がなくても、集落を回り、出会った住民の方々に暮らしの中でのニーズをお聞きし、手伝えることはその場でお手伝いをするというものもあった。
 
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              写真:毎晩PM6:30に開かれるRQ九州のミーティングで発言する学生

しかし、多くの方々は「うちは大丈夫」と、簡単には依頼をされなかった。原因は様々なものが考えられるが、自分よりもっと大きな被害に遭った方がおられるのだから、自分が支援を受けるのは申し訳ないという遠慮、また、他者の支援を容易には受け入れない、熊本の県民性が主に考えられる。
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      写真:犬2匹を連れては小学校の避難所には入れない                        

しかし、地域によっては、あるお宅の支援が終わると、近隣の別のご家庭から新しく依頼が入ることもあり、具体的な依頼がなかったとしても、そのことによってニーズは存在しないというような判断はできないということがうかがえた。

(2) 中長期的な関係性を構築することの重要性
先程述べたように、被災者の方々からニーズや依頼を引き出すのは容易ではない。しかし、隠れた小さなニーズを聞き出すことによって、本当に必要とされる支援が見えてくるのではないか、という考えのもと、私達は一つの集落を継続して訪れるという方法を取ることにした。ビブスを着て、お話を聞く。手伝えることがあれば手伝う。「また来てくれた」と言ってもらえる。そこから地域のニーズに根差した支援へとつながっていくのではないか、という理念である。残念ながら私達は滞在期間か短く、実現を実際に目にすることはできなかったが、長い目で被災地を支援していくことの重要性を感じた。
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            写真:隣の屋根に落ちて刺さった瓦を取り除く依頼がありましたが断念(写真:高田)

(3)リスクマネジメントについて
 被災地でのボランティアは危険を伴うこともある。それは再び大規模な災害が発生したり、作業中に何らかのトラブルが起こったりするためのものだけではない。リスクとして認識すべきものの具体例としては、アスベストによる被害が挙げられる。
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             写真:アスベストを含むスレート瓦
 アスベストは建築物の耐火材や断熱材などに幅広く使用されていた。吸い込むと、肺がんを発症する危険が高くなるが、数十年という長い潜伏期間があるため、リスクとして認知されにくい。リスクマネジメントとしての学びを普遍化し、次の災害に備えるべきではないか、という意見が交わされた。
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 写真:プロパンガスやさんの自宅の片付けを、家族の皆さんとやりました。娘さんは熊大3年、初等教育の学生でした。

学生の報告書全文ができましたので添付します。






 2011年、5月に結成された災害支援サークル「バーサス」は2年余休眠していましたが、熊本支援のため再結成されました。
代表の比較文化4年の茂木理穂子、バーサス創設者の一人内山歩(現社4年)二人とも釜石や登米で活躍したベテランです。
 本校学生6名に加え、現地で合流する2名と8人で活動します。
 受け入れ先は環コミ1期生の宮崎高虎くんが就職し、管理運営を任されている下益城郡美里町の元気の森かじかです。
 高田が理事を務める全国法人のRQ災害教育研究センター(佐々木豊志代表・本校災害教育講師)が設置した美里町にあるRQ九州ボランティアセンター(フットパス研究所)に合流し、明日から活動を開始する予定です。
4月29日にボランティアの公募を始めました。

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 写真は29日午後7時の富士急。東京より夜行バスで大阪まで。乗り継いで熊本に入ります。

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