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お知らせ

平成23年度 都留文科大学入学式を執り行いました

 平成23年度入学式が、4月5日(火)に都の杜うぐいすホールにおいて執り行われ、学部生等826名、大学院生18名が都留文科大学に入学いたしました。
 なお、開式に先立ち、東日本大震災により被災された方々のご冥福を祈り、1分間の黙祷を行いました。  


理事長あいさつ

 去る3月11日の東日本大震災においては、多くの方々が被災され、尊い命が失われてしまいました。亡くなられた多くの方々に哀悼の意を捧げるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。本学においても、まだ連絡の取れない学生がおり、非常に心配をしております。
 しかしながら、いつまでも後ろを向いているわけにはいきません。我々には、「未来に向けて立ち上がり、立派な日本を復興していく」という大きな義務が課せられているのだと考えております。
 今日、ここに844人の新入生を迎えました。あらためて、おめでとうございます。
本学では、みなさんの入学を心からお祝いいたします。また、設立団体である都留市からも、市長を始め多くの関係者が出席されており、まさに、市全体がみなさんを歓迎しております。
 本学は教員養成系の大学として、創立50有余年の歴史を有し、発展してきたことから、これまで全国に数多くの教育関係者を送り出してきました。さらに、最近では教育以外の分野においても、多くの卒業生が活躍されております。
本日入学したみなさんは、これから4年間、本学で過ごすこととなりますが、その間に深い教養とともに、「学ぶ手段」を身に付けてもらいたいと思います。みなさんが、学業を終え卒業する頃には、本学で得た専門的スキルと広い教養を身に付け、自立した立派な社会人へと成長していることを期待しております。
 また、大学は学問だけをするところではなく、「一生の友人」をつくる場でもあります。部活動、サークル活動並びにゼミなどを精一杯楽しみながら、お互いに良い仲間をつくり、一度しかない大学生活を満喫してください。
 最後にキャリアディベロップメントの話をしたいと思います。キャリアディベロップメントとは、しっかりと自分を見つめ、主体的なキャリア形成意識を持ち、自らの能力開発に取り組むということです。大学側もサポートは行いますが、何よりも最初に、みなさん自身が「どのような“未来の自分”になりたいのか」ということをしっかりと考え、それに向けて努力し続けることが大切です。そのことにより、みなさんの明るい未来が開かれていくのだろうと思います。
 これからの4年間が、みなさんの人生にとって、実りの多い学園生活となることを祈念して、挨拶とします。

学長より 式辞

 みなさんの入学を心からお祝いします。
 みなさんは世界をゆるがす大震災後、初めての入学生となりました。ご家族の感慨はひとしおと拝察します。都留市長ほかご来賓の方々、教職員や先輩たちも、格別の思いで、みなさんをお迎えしています。この入学式は、私たちみなの新たな出発点となるでしょう。
 3月11日午後、未曾有の激震と津波が東日本一帯を襲い、人々が営々と築きあげてきた町と生活を一瞬のうちに破壊しました。多くの人命が失われました。本学でも被災地出身の学生がかなりおり、そのうち一人が、いまなお安否不明です。
 福島第一原発の事故は、世界が固唾をのんで見守るなか、いまだ収束の時期も定かではありません。被災地の人々の心情は察するに余りあります。
 みなさんの活躍する時代は、今回の大震災に直面して、価値観も社会システムも大きく変わるでしょう。その姿はまだ見えていません。いつの時代においても未来は不透明で見えにくいものですが、見えないものを明らかにしたいという探究心や創造力が、人間には備わっています。
 こうして我々は文学・芸術・思想を生みだし、大海原へ漕ぎだし、果てしない宇宙へと世界を拡げ、人文社会科学や科学技術を創造してきました。
 新しい価値観や社会システムの推進には、若者の柔軟な発想と力が不可欠です。人間は一生をかけて成長しますが、青春時代に得たものの影響は甚大です。
 これからの学生生活において、教師や書物を通じて勉学に励む時、部活やボランティアで絆(きずな)を深める時、そして遠く親元を離れ大人として社会とかかわる時、自分の内面から湧いてくる考えや感覚を信じ、大切にしてほしい。それがたとえ漠然としていても、これこそが一人一人にとって個性的で本源的なものだからです。

 千年前を振り返ると、世界ではアジアがもっとも先進的な役割を担っており、日本では平安時代、「源氏物語」や日本最古の医学書である「医心方」(いしんぼう)等を生みだしました。現在は最先端の科学が時代を牽引しています。便利な電化製品、交通手段等々は多くの利便性を与えてくれるとともに、不透明な不安も内包しています。
これからは、歴史的に蓄積されてきた人類の英知を再点検し、地球を支える新たな仕組みを創り出す時代に入ります。
 私自身がみなさんと同年輩であった青年時代から、はや半世紀以上が経過しました。私には記憶に残る強烈な体験が、大きく分けて5つあります。
 第一が1945年の東京大空襲と集団疎開、それにつづく戦後の食糧難です。
 第二が戦後数年間を経ての戦後復興と安保闘争です。
 第三が団塊世代を中心とする学園紛争から高度経済成長への時代です。ここに列席のご家族の方には、この世代の方がおられると思います。
 第四がバブルとバブル崩壊の四半世紀であり、みなさんが生まれ育った時代です。
 そして、第五が二十一世紀、経済や情報のグローバル化時代です。そこに今回の大震災です。
 この間、社会も環境も教育も大きく変化しました。温故知新という言葉があるように、みなさんは機会をとらえて、ご家族や年長の方々がどのように生きてきたかを尋ねてみて下さい。その会話を通じて、ご両親や祖先の時代を知り、今後どのような社会を築いていけば良いか、未来の担い手として考えてみてください。
 
 最後に、自分を前向きに転換する心構えについて、3つの示唆を進呈しましょう。いつの時代にも通じると思います。
 第一が「アシコシ ツカエ」です。「直立二足歩行」は人類だけが得た能力であり、重たい脳と広い視野を獲得しました。それを支えるためのアシコシが大切です。ともすると軽視しがちですが、「心身の活動と休息のリズム」を身につけてください。心と体は密接に関連しており、身体を動かせば心も活発に動きます。
 第二が「ツキイチ コテン」です。月に一度は意識的に古典に触れてほしい。長い歳月を経て感動を与えるものを古典と定義すれば、古典とは文学、芸術、思想、あるいは城や石垣、神社仏閣、橋など、人間が生み出したものにとどまりません。人為を超越した山や川、樹木や巨石なども古典に入ります。
「山紫水明の大学町」都留は、山青く、水清らかで、天下に名だたる秀麗な富士山をあちこちから仰ぎ見ることができます。桂川から引水した家中川が街中を流れています。こうした広い意味の古典は、身近にたくさんあります。
 第三が、自分と世界との関係です。「セカイヲ ミスエ モチバデ ウゴカム」(世界を見すえ 持ち場で動かむ)です。最後のムは「動くぞ」という決意を表わします。順調な時も、行き詰まった時も、折りにふれて、自分の持ち場が大きな世界と結びついていることを感じとって欲しい。
 自分の生きる場と世界を関係づけると、視界が開けます。世界に志を同じくする人々がいると自覚する時、勇気が湧いて、持ち場は揺るぎないものになります。
本学には全国から学生が集まっており、さまざまな出身地の人たちがいます。今日の出会いを大切に、世界を拡げる第一歩にしてください。
 自分自身を前向きに転換する方法として、3つ述べました。「アシコシ ツカエ」、「ツキイチ コテン」、「セカイヲ ミスエ モチバデ ウゴカム」。
 この三訓を時おり口ずさんでみてください。
 みなさんの活躍を心からお祈りします。  

平成23年4月5日
都留文科大学学長 加藤祐三

市長より 祝辞

 本日、晴れて平成23年度都留文科大学入学式に出席されました新入生の皆様に、心からお祝いを申し上げますとともに、これからこの地域社会の一員となる皆様を市民とともに歓迎申し上げます。
また、今日まで慈愛の心をもって、皆さんを励まし、支えてこられた御両親、御家族のお喜びも、ひとしおのこととお察しいたし、お祝い申し上げます。
 今年の入学生の中には、去る3月11日に発生した東日本大震災により罹災された方もいるとお聞きしているところでありますが、謹んでお見舞い申し上げますとともに、本市といたしましても、この国難とも言うべき困難と苦境を共に分かち合う決意を持って、全力で支援してまいりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
 さて、本学を擁する都留市は、周囲を日本「新・花の百名山」に選ばれた三ツ峠山、二十六夜山など、それぞれ個性あふれる山々に囲まれ、白雪を頂く芙蓉峰を遠く南西に望む、豊かな緑と「平成の名水百選」に選ばれた十日市場夏狩湧水群を始めとする清らかな水の溢れる素晴らしい自然環境に恵まれた、城下町の面影を残す人々のホスピタリティあふれた小都市であります。
 本市の城下町としての歴史は、遠く16世紀中頃から始まり、小山田氏によって治められた後、江戸時代に入り、鳥居氏、秋元氏が居城した城下町としてめざましい発展を遂げ、富士東部地域の政治、経済、文化、学術の中心地として栄えて参りました。
 また、近年は小水力市民発電所「元気くん1号」「元気くん2号」等の設置により、自然エネルギーの活用を実践するまちとして全国的にも注目を集めると共に、夢の交通システムとして、2027年の実用化に向けた試験走行が続けられているリニアモーターカー実験線の拠点基地があることでも世界的に知られております。
本学は、1953年(昭和28年)に設立された山梨県立臨時教員養成所を嚆矢として、1955年(昭和30年)には市立都留短期大学となり、1960年(昭和35年)、4年制の都留文科大学として誕生し、半世紀を優に越える歴史を刻んでまいりました。
 この間、小都市の公立大学経営は、激しい時代の変遷の中、幾多の困難に直面してまいりましたが、文科「人の営みの研究」という深遠で根源をなす領域で、個性的な教育理念を確立し、熱い情熱と高い学識を持って指導にあたられる教授陣、そして、その期待に応え真剣、真摯に自主自律的に学ぶ学生、さらに、江戸天保年間に谷村興譲館を設け、一般子弟の教育をしたという教育尊重の伝統を有する歴史風土をもち、地域の大学を愛し、誇りに思う市民の支援とが協働し、今日、「山梨に一星 (一つの星)あり、小なれどもその輝光(ひかり)強し」と謳われる本学を育み、幾多の優れた人材を世に送り出してまいりました。
 本市では、現在、学び・発見・実践みんなでつくるスマートシティ(賢い都市)つるをテーマに策定いたしました、第5次長期総合計画を羅針盤にまちづくりを推進しております。この計画では、目指すべき地域社会像であるスマートシティを個性輝く創造社会、持続可能な定常社会、互恵共生社会が融合したものとし、8つの分野別計画と9つの地域別計画で構成されております。
 分野別計画のトップ項目には、「教育首都つる」を目指したまちづくりを掲げており、その中核となる都留文科大学の充実発展は、本市にとって欠かすことのできない重要課題となっております。福沢諭吉は、自分の生きた時代を「恰(あたか)も一身にして二生を経るが如く」、つまり一人の人間がまるで二つの人生を生きたようなものだと、語ったそうでありますが、私達が共に生きる現代社会は、経済の不安定化や格差の問題、少子高齢化の進行、地球温暖化に代表される環境の持続性の問題、国際社会における力のバランスや安全保障をめぐる問題等々、その時代に匹敵する歴史的な転換期にあります。
 そんな中、本学は、平成21年4月1日からは公立大学法人に移行し、中長期的・総合的視野に立ち、その果たすべき役割や進むべき方向を見据えた、戦略的で自主自律的な改革を進めていただいております。本市といたしても、大学に対し、引き続き可能な限りの支援を行ってまいりますので、すべての関係者の一丸となったアジリティな取り組みを期待するものであります。
 さて、本日から皆様は、人類が長い間の実践と思索から歴史的に積み上げてきた膨大な知識や技術のエキスを学ぶことになりますが、大学での学びはこれまで皆様が受けてきた学校の先生が教えてくれたことを覚えたり、教科書に書かれたことを正確に理解することに主眼がおかれていた教育とは異なり、講義や書物からの知識や学説であっても、それが構築された思索プロセスを考え、疑問を持ち、問いかけ、自分でテーマや問題を見つけ、自分で思考し、結論を導くという主体的に専門を学ぶ姿勢が求められます。
 また、目指すべき地域社会像の1つとして、先程「個性輝く創造社会」を挙げましたが、創造=新しいものを創り出すこととは、(全く独自の考えから新しいものを創り出す=独創とは異なっており)既存の一見全く関連がないような様々な要素を自分流にアレンジして組み合わせ、新しいものを創り出すことではないでしょうか。組み合わせるべき様々な要素を自分自身の中に貯えるには、学問の専門性を追求するだけでなく、スポーツ、読書、旅行、芸術、そしてボランティア活動やクラブ活動にも興味を持って実践することが必要であり、そうすることが社会の要請に応えることのできる創造力を持った人間に成長できることだと思います。
 もう一つ、皆様はこれから大学の内外において異なる個性、異なる思考パターン、異なる価値観をもった人々との刺激的な出会いに遭遇することになります。そうした差異のある相手に皆様が身につけた知識を伝え、受け取り互いに論じ合い、知識に生命を与え十分に活用するためにはコミュニケーション能力を高めることが求められます。
 今日から、私たち市民も皆様との出会いを大切に、皆様が、ここ都留の地で青春の意義ある日々を送られたことを将来誇りを持って思い出すことが出来るよう、一緒に努力していきたいと思います。
 人間は、二度と同じ時を生きることはできないという自明の理の下、今日の緊張と意気込みと謙虚さを忘れず、若人らしく、健康で明るく、おおらかに、互いに他を慈しみ、自ら夢や目標を見つけ出し、その達成に努力するオリジナリティ溢れる、かけがえのない大学生活を築かれることを心より願い、祝辞といたします。

平成二十三年四月五日        
          都留市長 小 林 義 光 

新入生代表より 新入生の言葉

 うららかな春の陽射しに誘われて、桜の蕾もほころび始めるこの佳き日に、伝統ある都留文科大学の入学式を迎えられたことを、大変嬉しく思います。これも、母校の先生方・家族・友人たちの支えや、地域の方々の温かい眼差しのおかげです。その思いへの感謝を心に留め、大学での生活を実りある素晴らしいものにすべく、日々精進していきたいと思います。
 私たちの生きている現代の社会は、情報化やグローバル化が進み、豊かで便利になったと言われます。しかし、その一方で、人間関係が希薄になり、コミュニケーション能力の低下も懸念されています。長期的な不況により、若者の雇用も非常に厳しい状況にあると言われ、私たちの未来には、立ち向かうべき課題が山積しています。
 さらに、この三月、東日本は信じられないほどの大震災に見舞われました。その深い悲しみと辛さを、私たち一人一人が自らの思いとして受けとめ、正面から向かうべき時なのだと思います。
 このような混沌とした時代だからこそ、何よりも、人として成長し、互いに支え合うことが、より一層大切になると思います。そのために、私たちは、学ぶことを怠らず、人と関わる中で経験を重ね、失敗を恐れずに挑戦していく勇気を持つ必要があります。社会の変化にしなやかに対応できる知識と教養を身につけて、現代社会が直面する問題を幅広い視野で捉え、解決していく力を培っていかなければならないと思います。
 都留文科大学は全国各地から学生が集まり、地域の方々との交流も盛んです。この恵まれた学習環境のもと、多くの人との交流によって、未知の自分を発見し、学びを深めるとともに、豊かな人間性を育みたいと思います。また、部活動・サークル活動などを通して、互いに高め合っていきたいです。そして、さまざまな形で、社会に貢献できる存在へと成長していきたいと思います。
 私たちは今、多くの方々に支えられ、熱意あふれる先生方のもとで、共に学ぶ機会を与えていただきました。このように学ぶことのできる幸せを改めて噛み締め、都留文科大学の学生としての自覚と誇りを持って、新たな一歩を踏み出したいと思います。未来を見据えた高い志を抱いて、一日一日を大切に過ごしていくことを決意し、新入生のことばといたします。


平成23年4月5日
都留文科大学 文学部 社会学科 現代社会専攻
新入生代表 渡邊 美香

当日の様子